静岡の鏡加工場から、職人・手磨きの鏡をお届けします。

ミラーエッジ加工の種類

要点 水回りの長寿命化には「防湿+糸面加工」が不可欠

水回りや湿気の多い空間に設置する鏡では、エッジの防湿機能と安全性が製品寿命を左右します。切断面の微細なヒビを平滑化する「糸面加工」と、銀膜の酸化を防ぐ「防湿処理」を組み合わせることで、黒ずみ(シケ)の発生を抑えて長期的な耐久性を確保できます。

1 鏡のエッジ加工と比較

加工種類 側面仕上げ状態 機能性(安全性・耐久性) 防湿処理の追従性 適した設置環境
切りっぱなし 鋭利・断面に微小亀裂あり 極めて低い(手傷・破損リスク大) 不可(塗布不可) 加工用原板・枠付き鏡
糸面取り 研磨処理・角を約1mm落とす 高い(怪我防止・欠け防止) 適正あり(基本標準) 枠付き鏡・一般屋内・各種施工全般
広幅面取り (10〜25mm) 斜面研磨+光沢仕上げ 中(デザイン性優先・縁部薄化) 限定的 枠なし鏡・店舗・デザイン壁面
防湿+糸面加工 角を糸面研磨+小口防湿塗装 極めて高い(耐食・防水・耐久) 最適(側面完全封止) 洗面所・浴室・結露の多い水回り全般
ミラーと照明の施工例

2 加工場が明かす機能性と耐久性の裏側

職人目線 小口のマイクロクラックと「シケ」のリスク

ガラスを切断した直後の小口(切断面)には、肉眼で見えない微細な亀裂(マイクロクラック)が存在します。この亀裂に外力が加わると割れの原因となり、水気や湿気が進入すると裏面の銀膜が酸化して黒く変色する「シケ」を引き起こします。

「糸面加工」は、ガラスの角を削り落として怪我を防ぐだけでなく、この微細なクラックを取り除いてガラス自体の物理強度を高める重要な役割を果たします。さらに、糸面研磨で整えた断面に対し「防湿コーティング(小口封止材)」を均一に塗布することで、毛細管現象による水分の吸い上げを遮断します。水回りでの長寿命化を実現するには、この糸面研磨と防湿処理の組み合わせが不可欠です。

3 製作事例とサイズ選定

実例 住宅の洗面化粧台(W750mm × H900mm、厚み5mm、厚塗り防湿+糸面加工仕様)

職人の工夫:

洗面水栓からの水ハネや湿気が小口から侵入しないよう、全周の糸面加工を均一に仕上げた上で厚塗り防湿を塗布しました。

サイズ決定法:

壁面のゆがみや施工時の逃げ(クリアランス)として上下左右に各2〜3mm程度の余裕を見て採寸します。たわみによる映り込みの歪みを防ぐため、厚みは5mm以上を選択するのが基本です。

ミラーと照明の施工例

4 よくある質問(FAQ)

Q

糸面加工をするだけで、湿気による黒ずみ(シケ)は防げますか?

A

糸面加工単体ではガラスの怪我・欠け防止効果にとどまるため、防湿効果はありません。水回り等で使用する場合は、必ず糸面加工の上から「防湿コーティング」を追加指定してください。

Q

枠付きの鏡でも防湿+糸面加工は必要ですか?

A

必要です。枠の隙間から結露水や湿気が侵入して銀膜を痛めるケースが多いため、枠付きであっても水回り設置の場合は防湿+糸面加工を推奨しています。

まとめ 設置環境に応じた最適な仕様選びを

水回りや高湿度環境で設置する鏡には、怪我や欠けを防ぐ「糸面加工」と、銀膜の酸化を抑える「防湿処理」を掛け合わせた「防湿+糸面加工」が最もバランスの取れた標準仕様となります。

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