静岡の鏡加工場から、職人・手磨きの鏡をお届けします。

防湿加工はどんな場所に必要か

【結論】

湿気や水滴が触れる環境に鏡を設置する場合、裏面の銀膜腐蝕(シケ)を防ぐ防湿加工が必須です。水回りや高湿度環境での鏡の劣化は表面ではなく裏面から進行するため、防湿処理を行わない鏡は数年で端部から黒ずみが発生します。

ミラーと照明の施工例

ひと目でわかる防湿仕様と選定基準

設置環境 推奨厚み 推奨加工 サイズ目安 納期目安 費用感(通常比)
洗面所・脱衣所 5mm 糸面取り+小口防湿 600×900mm 約3〜4営業日 1.1〜1.2倍
浴室等 5mm 糸面取り+小口防湿または厚塗り防湿+飛散防止 450×600mm 約7〜10営業日 1.3〜2倍
一般居室・玄関 5mm 広面取り(小口防湿なし) 800×1800mm 約3〜4営業日 標準

加工場目線の一次情報:防湿加工の構造と耐久性

鏡の裏面には「ガラス/銀膜/銅膜/保護塗料」が層状に形成されています。切断時の断面(小口)や裏面塗膜のわずかな隙間から水分や洗剤成分、硫化水素が浸入すると、銀が酸化して黒い斑点(シケ)が生じます。

加工場では、切断後に「小口防湿(エッジコート)」または「厚塗り防湿」を施工します。厚塗り防湿は面取り加工後のガラス端部に特殊塗料を塗布し、水分の毛細管現象を封じ込めます。防湿塗料の乾燥温度と塗布厚みの管理が不十分だと、経年で塗膜が剥離するため、均一な塗布膜厚(約20〜30μm)の制御が耐久性を左右します。湿度の高い現場では、防湿加工に加えて「飛散防止フィルム」を裏面に貼ることで、万が一の破電時にも水分の直接付着を軽減する効果が得られます。

ミラーと照明の施工例

実際の製作事例とサイズ選びのコツ

【事例:新築住宅の洗面台前かがみ鏡(防湿仕様)】

  • 仕様: 5mm厚 / 横1200×縦800mm / 糸面取り / 小口防湿加工
  • 現場の工夫: 水栓からの跳ね返りを考慮し、鏡の下端から水栓天板まで50mmの立ち上がり(隙間)を確保。壁面施工時には、変性シリコーン系の防湿鏡専用接着剤を使用し、接着剤の溶剤による銀膜腐蝕を防止しました。

【失敗しないサイズ決定法】

壁全面に固定する場合は、採寸値から上下左右それぞれ3mmの逃げ(クリアランス)を引いた寸法でオーダーしてください。建築壁面の歪みによる圧迫負荷を避け、ガラスの歪みや歪破を防ぎます。

ミラーと照明の施工例

よくある質問(FAQ)

Q.

防湿加工をすれば、絶対に黒ずみ(シケ)は発生しませんか?

A.

完全な永久防錆を保証するものではありませんが、未加工品と比較して耐久性は著しく向上します。酸性・アルカリ性洗剤や漂白剤の直接付着を避け、定期的に乾拭きすることで、10年以上の耐久性を維持できます。

Q.

既存の鏡に、後から厚塗り防湿加工を施すことはできますか?

A.

後付けの加工は不可能です。厚塗り防湿はガラス切断および面取り加工の直後に工場内で塗布・乾燥させる必要があるため、オーダー製作時の事前指定が必要です。

まとめ

水回りや高湿度の場所に設置する鏡は、小口防湿をはじめとする適切な防湿仕様の選定が寿命を極めて大きく左右します。用途に応じた最適な厚みと加工方法をご提案いたします。

オーダーミラーのご相談・お見積もり

・見積もり相談: お気軽にお見積もり、仕様のご相談を承ります。寸法や設置環境をお知らせいただければ、最適な仕様をご提案します。
・LINE問い合わせ: 公式LINEから写真を送るだけで簡単にお問い合わせ可能です。現地の状況写真を添えてご相談ください。